研究課題
若手研究(B)
Ras/B-Raf/C-Raf/MEK/ERK経路(ERK経路)は、細胞増殖を含む細胞機能の制御に重要な役割を果たしている。HeLa細胞にsiRNAをトランスフェクトし、ジアシルグリセロールキナーゼη(DGKη)の発現を抑制すると、上皮増殖因子(EGF)刺激によって誘導されるERK経路の活性化の阻害が認められた。またDGKηの発現は触媒活性非依存的にERK経路を活性化したことより、DGKηはアダプタータンパク質として機能していることが考えられた。B-RafとC-Rafのキナーゼ活性を測定したところ、DGKηの発現抑制によりC-Raf活性のみが減少することが明らかになった。さらにDGKηの発現抑制によって、EGF刺激によって誘導されるB-RafとC-Rafのヘテロ二量体形成も顕著に抑制された。またDGKηはB-RafおよびC-Rafと相互作用し、EGF刺激によって誘導されるB-Raf およびC-Raf の細胞膜への移行も制御した。以上の結果は、DGKηはERK経路を制御する新規の因子であることを示唆している。
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J.Biol. Chem. 284(43)
ページ: 29559-29570
FEBS Lett. 583(19)
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