研究課題/領域番号 |
21770193
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
飯田 哲史 国立遺伝学研究所, 細胞遺伝研究系, 助教 (60391851)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2010年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2009年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ノンコーディングRNA / サイレンシング / RNA干渉 / 分裂酵母 |
研究概要 |
真核生物の染色体のいたるところから発現している翻訳されないRNA(noncoding RNA:ncRNA)は、RNA監視機構などにより迅速に分解されることが解ってきた。RNA 監視機構の異常は、ncRNAの異常蓄積とゲノムの不安定化を誘発する。逆に、そのようなncRNAの過剰な蓄積がどのように遺伝子発現やゲノムの安定性に影響を与えているかについては不明である。本研究では、分裂酵母を用いて染色体上のレポーターであるura4^+遺伝子座にncRNAを人工的に大量に発現するさせる系を確立した。分裂酵母の最も強力なプロモーターであるnmt1pにより、ura4^+遺伝子のアンチセンスRNAを大過剰に発現させると遺伝子の抑制(サイレンシング)が起こること見出した。ncRNA依存的なサイレンシングでは、ヘテロクロマチン構造の指標であるSwi6とヒストンH3K9のメチル化が誘導されないことから、ヘテロクロマチンとは異なる仕組みで遺伝子サイレンシングが起こることが示唆された。興味深いことに、本来ヘテロクロマチン依存的なサイレンシングに必要なRNA干渉(RNAi)関連因子がncRNAを過剰発現している細胞の増殖に必要であるが、サイレンシング自体には必要でないことも明らかとなった。本研究により、RNAi機構がRNA監視機構の一つとして機能し染色体上の異常を抑えている可能性が示唆された。
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