研究概要 |
里地里山の二次的草地および樹林地林床植物相を対象に,自然再生の効果を植生回復の視点から評価・モニタリングする際の汎用的基準を提示することを最終目的とし,人為攪乱の再導入では復元できない植物種群を抽出し,それらの植物戦略特性を調査・整理し,復元を困難にしている生態プロセスの特定を行った。植生管理を再開した後に比較的速やかに再生する種群と回復傾向の見られない種群の繁殖戦略に関する機能特性の比較を行った結果,両者には光獲得に関する既往に明らかな違いがあることが明らかとなった。比重葉面積と単位葉面積および葉重量あたりの窒素含有量,その陽葉と陰葉での可塑性について調査を行った結果,回復困難種とそれ以外では,葉面積あたりの窒素含量について,陽葉と陰葉での可塑性が大きいかどうかが明瞭な違いとして現れた。
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