研究概要 |
アーバスキュラー菌根菌と共生するソヨゴ林と共生しないコナラ林の土壌間において,「特定試薬に反応するたんぱく質量(BRSPと表記する。これがグロマリン量にほぼ相当する)」,および炭素、窒素含有率、CN比、細根量、ピロリン酸抽出鉄含有率を比較した。これらの値は全て、ソヨゴ林土壌がコナラ林土壌より高く、ソヨゴ林土壌のBRSP、炭素、窒素の各含有率はコナラ林土壌のそれの約2倍に相当した。またBRSP含有率は、他のパラメータと正相関をもっており、ソヨゴ林のほうがピロリン酸抽出鉄の増加率に対するBRSPの増加率は大きかった。従って、ピロリン酸抽出鉄が多く含まれる土壌ではグロマリン含量(グロマリンと同調する炭素含量も)が増えるが,その増え方はアーバスキュラー菌と共生するソヨゴの林の方がより顕著であることが明らかになった。これらの結果から、グロマリンが土壌有機物の蓄積を底上げしていることが示唆された。
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