研究課題
若手研究(B)
オーキシン様除草剤(2,4-ジクロロフェノキシ酢酸、2,4-D)は、耕作地において雑草を枯死させる目的で広く用いられている。しかし、双子葉類を枯らす分子機構は明らかとなっていない。以前、我々は2,4-Dが細胞骨格を分解し、オーキシンとは独立した新規の経路によってアポトーシスを誘導するという証拠を示した(Rahman et al., 2007 ; Takahashi et al.,投稿準備中)。これらの結果は、2,4-Dの除草効果は一般的に信じられているオーキシン毒性とは異なる細胞に対する毒性と強くリンクしていることを示した。2,4-Dの作用機構と細胞毒性の分子機構をさらに明らかにするため、オミックス、バイオインフォマティクスそして逆遺伝学を含むシステムバイオロジーの手法を用いた。IAAと2,4-D処理時のトランスクリプトーム比較によって2,4-D応答遺伝子セットを同定した。2,4-D特異的応答性遺伝子の遺伝子オントロジーアノテーション解析は細胞骨格とアポトーシスに関連した遺伝子のグループを明らかにし、2,4-Dはアクチン分解とその後のアポトーシスを通して植物を枯らすということを示した。この経路を制御するタンパク質の機能を理解するために逆遺伝学的アプローチを用いた。
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