研究課題/領域番号 |
21790036
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
原田 隆範 広島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助手 (30350325)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2009年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 質量分析 / イオンモビリティー / 三重極 / イオンシミュレーション |
研究概要 |
イオンモビリティー質量分析法は、電場中のイオンの移動度の違いを利用することで等分子量のイオンでもその分離を可能とする方法である。イオンモビリティー質量分析計においてイオンの分離能を上げるためには、イオンの飛行距離を長くすることが重要である。我々は、これまで新規回転電場型の電極である世界初の三重極の開発を行ってきた。三重極内ではイオンが回転しながら飛行するという特徴があるため、短い電極長でもイオンの飛行距離を長くできる。この三重極をイオンモビリティー質量分析計に導入することで、コンパクトで高分解能・高感度な質量分析計を開発することが目的である。 まずはイオンシミュレーションを用いて、三重極イオンモビリティー質量分析計の設計と性能の検討を行った。三重極を一定の間隔で並べた約10cmのドリフトセルを設計し、シミュレーションを実行したところ、本分析計は小さいm/z(分子量/電荷)のイオンほど飛行時間が長くなるという特徴があり、低分子の分離に有効であることが分かった。最も重要な性能であるイオンの分離能について検討すると、m/zが等しく電荷zの異なるイオンについては、短いドリフトセル長ながらそれらの分離には十分であることが分かった。また、分子量m・電荷zが等しくサイズの異なるイオンについても、イオンサイズごとの分離が可能な飛行時間差が得られた。さらに、三重極と他の電極を組み合わせることで、ドリフトセルの大きさ・長さを変えることなく本分析計の性能を上げることが可能であることが分かった。
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