研究課題/領域番号 |
21790142
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医療系薬学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
設楽 悦久 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 准教授 (00306656)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2009年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 薬物動態 / 代謝学 / OATP/Oatp / シクロスポリン / 薬物間相互作用 / 持続的阻害 / 消化管吸収 / 肝取り込み / トランスポーター / OATP / Oatp |
研究概要 |
薬部の肝取り込みトランスポーターに関与するトランスポーターの阻害によって生じる薬物間相互作用は、現在までに多くの臨床例が報告され、注目されている。我々は、これまでにシクロスポリンによってOATPファミリーに属する肝取り込みトランスポーターが阻害を受け、薬物間相互作用を引き起こす可能性があることを示してきた。また、ラットにおいては、シクロスポリンによる肝取り込み阻害が持続的であることを示してきた。本研究では、シクロスポリンによるヒトOATP1B1およびOATP1B3に対する阻害効果について検討を行い、同様に持続的阻害を引き起こすことを示した。このことによって臨床で重大な相互作用を引き起こしたものと考えることができる。シクロスポリンによるOATP1B1に対する影響についてさらに検討した結果、トランスポーターの膜表面での発現量に対して影響を与えないことがわかった。また、OATP1B1を片側にのみ発現する極性細胞のMDCKII-OATP1B1細胞を用いて、OATP1B1発現部位(basal側)および非発現部位(apical側)にシクロスポリンを曝露した実験の結果では、いずれにおいてもOATP1B1機能の持続的低下が認められたことから、シクロスポリンによる阻害はOATP1B1に対する直接的な曝露を必要とせず、むしろ細胞内に存在することによって阻害が引き起こされることが示された。すなわち、シクロスポリンは肝臓内に蓄積することでOATP1B1の持続的な阻害を引き起こすことが示された。 また、ラットを用いて消化管Oatpに対する影響についても検討を行った。この結果から、シクロスポリンは肝臓だけでなく消化管Oatpもまた持続的に阻害することが示された。
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