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癌の転移・浸潤モデルにおけるAT1受容体の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21790157
研究種目

若手研究(B)

配分区分補助金
研究分野 医療系薬学
研究機関北里大学

研究代表者

福井 朋也  北里大学, 医学部, 助教 (10337933)

研究期間 (年度) 2009
研究課題ステータス 完了 (2009年度)
配分額 *注記
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2009年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード転移 / 血管新生 / AT1a受容体 / SDF-1 / VEGF / SCF / MMP9
研究概要

【背景】腫瘍細胞の血行性転移には生血管の関与が明らかであり、また転移巣での腫瘍増殖にも血管新生が重要な役割をもつと思われる。我々は、これまでAngiotensin IIがAT1a受容体に結合して血管新生を促し、腫瘍増殖に関与していることを報告した。今回、マウス腫瘍肺転移モデルを作成し、AT1a受容体が肺の転移形成に関与するか否かを検討することとした。【方法】6-8週の雄性ワイルドタイプ(C57B1/6マウス、以下AT1a+/+)およびAT1aノックアウトマウス(以下AT1a-/-)に悪性黒色腫細胞株(3.0X104個)を静脈注射することで肺転移モテルを作成し、肺表面に形成された腫瘍コロニー数、およびマウス血中の血小板数、Stromal cell derived factor-1 (SDF-1)、Vascular Endothelial Growth Factor (VEGF)、Stem cell factor (SCF)、Matrix Metalloproteinase 9 (MMP-9)の発現について検討した。【結果】AT1a-/-ではAT1a+/+と比較して、有意に肺表面の腫瘍のコロニー数の低下を認めた。また、AT1a-/-はAT1a+/+と比較して、有意な血小板数および血管新生促進因子であるSDF-1、VEGF、SCF、MMP-9濃度の低下を認めた(P<0.05)。
さらに、腫瘍接種後6週のマウスの生存率はAT1a-/-では90%の生存率であったのに対し、AT1a+/+は30%の生存率であった(P<0.05)。抗がん剤である5-FUを投与して、-AT1a-/-およびAT1a+/+の骨髄機能の回復について検討したところ、AT1a-/-はAT1a+/+と比較し、有意に血小板数およびThrombopoietin濃度の低下を示した(P<0.05)。【結論】AT1aシグナリングは骨髄組織で血小板の産生に関与し、それが腫瘍細胞の血管内底細胞の付着を増強させることで血小板由来の血管新生促進因子が産生され、腫瘍の浸潤および転移を増強させることが推測された。今後、AT1a受容体拮抗薬が、抗がん剤や放射線療法との併用療法、手術後の再発や転移のリスクの高い患者や発癌リスクの高いグループに対する予防的投与など、がん治療薬として想定される。

報告書

(1件)
  • 2009 実績報告書

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公開日: 2009-04-01   更新日: 2016-04-21  

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