研究課題/領域番号 |
21790223
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境生理学(含体力医学・栄養生理学)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
蕨 栄治 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (70396612)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2009年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 摂食調節 / メタボリックシンドローム / レプチン / A170 / Sequestosomel / p62 / レプチン抵抗性 |
研究概要 |
代表者はこれまでに、A170ノックアウトマウスは過食となり、これに伴う肥満症、生活習慣病を通常食給餌下で呈すること、またA170欠損マウス由来の繊維芽細胞は、MAPキナーゼの活性化が著しく亢進しており、これに起因する高い細胞増殖能、抗アポトーシス能を有していることなどを明らかにしてきた。これらのことからA170は個体内における摂食調節、脂肪細胞機能に関係していると考えられた。実際A170は視床下部に強い発現が認め、摂食調節に重要な神経細胞とオーバーラップしており、重要なことにA170ノックアウトマウスでは摂食抑制ホルモンであるレプチンに対する感受性が著しく低下していた。本研究では、神経細胞内におけるレプチンシグナル伝達におけるA170の役割の解析および中枢特異的なA170コンディショナルノックアウトマウスの作製、表現型の解析を行い、摂食調節におけるA170の役割、重要性を調べた。レプチンによる摂食抑制効果は、神経細胞内に存在するシグナル伝達因子であるStat3の活性化、すなわちリン酸化とそれに続く核移行が必須であることがわかっているが、A170欠損マウスはレプチン投与によるStat3の核移行が野生型マウスと比べ著しく減弱していることが明らかとなり、A170の摂食調節における分子機能として新たにStat3の制御に何らかの役割を果たしていることが示唆された。また、Nestin-CreマウスとA170f^<ox/fox>マウスを掛け合わせることにより作製したマウスは、中枢神経細胞でのA170の発現の一部が抑制されたていることを確認した。このマウスの体重は、一部で増加を認めたが、個体間の体重差が大きく、対照マウスとの明確な差を得ることは出来なかった。その原因として、Nestin-Cre系によるA170遺伝子のノックアウトが不完全であり、必ずしもA170が摂食調節に重要な役割を果たしている神経細胞全てでA170の発現が抑制できた訳ではないことが原因として考えられる。
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