新規p53標的遺伝子を介したp53経路と癌遺伝子経路のクロストーク

• 研究課題/領域番号: 21790299
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 医化学一般
• 研究機関: 独立行政法人国立がん研究センター
• 研究代表者: 大木 理恵子 独立行政法人国立がん研究センター, 研究所, 研究員 (70356252)
• 研究期間 (年度): 2009 – 2010
• 研究課題ステータス: 完了 (2010年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2010年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円); 2009年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
• キーワード: 細胞内シグナル伝達 / P53 / Akt / がん抑制遺伝子 / がん遺伝子 / 癌 / p53

研究概要

がん遺伝子Aktは多くのがんにおいて異常に活性化しており、Akt活性化はがん化を強く促進する要因の一つである。Aktは正常細胞ではがん抑制遺伝子p53によって、活性化が抑制されている。ところが、がんのほとんどのものではがん抑制遺伝子p53の機能不全が認められており、がん細胞ではAktが抑制されなくなっている。
我々は、これまで機能未知であったPHLDA3遺伝子が、p53によって誘導される遺伝子である事を見いだし、PHLDA3がp53によるAkt抑制を担う重要な遺伝子である事を初めて明らかにした。
また、PHLDA3を介したp53とAktのクロストークが肺がんのみならず、膵がんでも重要な働きをしている可能性が示唆された。
さらに、p53の遺伝子多型が癌遺伝子Mdm2やRasの経路と関連し、遺伝子多型によって癌抑制能が異なる事が明らかになった。

研究成果

• [雑誌論文] Cancer susceptibility polymorphism of p53 at codon 72 affects phosphorylation and degradation of p53 protein. (2011)
  • 著者名/発表者名: Rieko Ohki
  • 雑誌名: Journal of Biological Chemistry 巻: 286 ページ: 18251-18260
  • 査読あり
• [雑誌論文] PHLDA3は新規Akt抑制因子であり、癌化を抑制する因子である。 (2010)
  • 著者名/発表者名: 川瀬竜也、大木理恵子
  • 雑誌名: 細胞工学Special Review vol.29 ページ: 599-605
  • NAID: 40017140420
• [雑誌論文] PHLDA3は新規Akt抑制因子であり、癌化を抑制する因子である (2010)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子、川瀬竜也
  • 雑誌名: 生体の科学 61巻6号 ページ: 560-567
  • NAID: 40017140420
• [雑誌論文] PHLDA3は新規Akt抑制因子であり、癌化を抑制する因子である (2010)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 雑誌名: 細胞工学 巻: 29 ページ: 599-605
  • NAID: 40017140420
• [雑誌論文] PHLDA3は新規Akt抑制因子であり、癌化を抑制する因子である (2010)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 雑誌名: 生体の科学 巻: 61 ページ: 560-567
  • NAID: 40017140420
• [雑誌論文] Cancer susceptibility polymorphism of p53 at codon 72 affects phosphorylation and degradation of p53 protein^#.(^#corresponding author)
  • 著者名/発表者名: Chikako Ozeki, Tatsuhiro Shibata, Takashi Kohno, Yuichiro Sawai, Koji Okamoto, Jun Yokota, Fumio Tashiro, Seiichi Tanuma, Ryuichi Sakai, Tatsuya Kawase, Issay Kitabayashi, Yoichi Taya, Rieko Ohki.
  • 雑誌名: Journal of Biological Chemistry (in press.)
• [学会発表] A comprehensive screening of shRNAs that regulate p53 activity (2010)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第69回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 大阪国際会議場・リーガロイヤルホテル大阪
  • 年月日: 2010-09-23
• [学会発表] A comprehensive screening of shRNAs that regulate p53 activity (2010)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: AACR-JCA 8th Joint Conference
  • 発表場所: 国立がん研究センター
  • 年月日: 2010-02-09
• [学会発表] A comprehensive screening of shRNAs that regulate p53 activity (2010)
  • 著者名/発表者名: Rieko Ohki, Yosuke Ohsawa, Ryuichi Sakai
  • 学会等名: AACR-JCA 8th Joint Conference
• [学会発表] 新規癌関連遺伝子の同定による癌化メカニズムの解明 (2010)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 細胞生物学特論セミナー
  • 発表場所: 早稲田大学大学院・先進理工学研究科
• [学会発表] 新規癌関連遺伝子の同定による癌化メカニズムの解明 (2010)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: オンコロジーセミナー
  • 発表場所: 金沢大学がん研究所
• [学会発表] p53によるAKTシグナルの制御-PH domain-only protein PHLDA3の役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第32回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 2009-12-12
• [学会発表] 中心体タンパク質LRRC45による中心体の複製異常と発癌 (2009)
  • 著者名/発表者名: 池田怜美
  • 学会等名: 第32回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフイコ横浜
  • 年月日: 2009-12-10
• [学会発表] p53によるAKTシグナルの制御-PH domain-only protein PHLDA3の役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第32回日本分子生物学会年会
  • 発表場所: パシフイコ横浜
  • 年月日: 2009-12-09
• [学会発表] PHドメインのみからなるPHLDA3は、p53の新規標的遺伝子でありAktの新規抑制因子である (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 2009-10-03
• [学会発表] 癌遺伝子Srcの下流因子p130CasのC末端断片化のがん化及びがん転移のおける意義 (2009)
  • 著者名/発表者名: 澤井勇一郎
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: パシフィコ横浜
  • 年月日: 2009-10-01
• [学会発表] PH domain-only protein PHLDA3はAktの新規抑制因子である (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第2回シンフォニーシンポジウム
  • 発表場所: ホテルメトロポリタンエドモンド
  • 年月日: 2009-09-12
• [学会発表] PH domain-only protein PHLDA3はAktの新規抑制因子である (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第13回神経芽腫研究会
  • 発表場所: 国立がん研究センター
  • 年月日: 2009-08-22
• [学会発表] PH domain-only protein PHLDA3はAktの新規抑制因子である (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第13回神経芽腫研究会
  • 発表場所: 国立がんセンター
  • 年月日: 2009-08-22
• [学会発表] PH domain-only protein PHLDA3はAktの新規抑制因子である (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第13回神経芽腫研究会特別講演
• [学会発表] 新規癌関連遺伝子の同定による癌化メカニズムの解明 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第2回シンフォニーシンポジウム
• [学会発表] PHドメインのみからなるPHLDA3は、p53の新規標的遺伝子でありAktの新規抑制因子である (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子、川瀬竜也、柴田龍弘、堤修一、太田力、市川仁、稲澤譲治、油谷浩幸、田代文夫、田矢洋一
  • 学会等名: 第68回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: (口頭発表)
• [学会発表] p53によるAKTシグナルの制御-PH domain-only protein PHLDA3の役割 (2009)
  • 著者名/発表者名: 大木理恵子
  • 学会等名: 第32回日本分子生物学会年会、ワークショップ発表
• [備考] 該当せず
• [産業財産権] 医薬組成物、および、腫瘍の治療用医薬剤 (2010)
  • 発明者名: 大木理恵子、川瀬竜也、柴田龍弘、田矢洋一、油谷浩幸、稲澤譲治、田代文夫
  • 権利者名: ヒューマンサイエンス振興財団、東京理科大学、東京医科歯科大学
  • 出願年月日: 2010-02-02
  • 外国
• [産業財産権] shRNA発現ライブラリーの製造方法 (2010)
  • 発明者名: 大木理恵子
  • 権利者名: ヒューマンサイエンス振興財団
  • 出願年月日: 2010-07-05
• [産業財産権] shRNA発現ライブラリーの製造方法 (2010)
  • 発明者名: 大木理恵子
  • 権利者名: ヒューマンサイエンス振興財団
  • 出願年月日: 2010-07-05
• [産業財産権] 医薬組成物、および、腫瘍の治療用医薬剤 (2010)
  • 発明者名: 大木理恵子、川瀬竜也、柴田龍弘、田矢洋一、油谷浩幸、稲澤譲治、田代文夫
  • 権利者名: ヒューマンサイエンス振興財団、東京理科大学、東京医科歯科大学
  • 出願年月日: 2010-02-02