研究課題/領域番号 |
21790384
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験病理学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
新井 義文 浜松医科大学, 医学部, 助教 (30381784)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2010年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2009年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 発生病理 / サイトメガロウイルス / ウイルス性難聴 |
研究概要 |
発育期のウイルス感染による難聴の発症機序を解析する目的で出生直後のBALB/cマウスにサイトメガロウイルス(CMV)を接種したところ、細菌壁成分であるlipopolysaccharideを同時に投与した場合において内耳へのCMV感染が高率に誘導されることが明らかとなった。内耳でのCMV抗原陽性細胞は血管条やラセン靭帯といった内リンパの電解質濃度や高電位を維持する器官へも広がりを示したが、ウイルス抗原は感染7‐10後をピークとして以後漸減し感染28日後にはほぼ消失するという一過性の感染動態を示した。血管条やラセン靭帯に発現する電解質輸送に関わるイオンチャンネルや細胞間輸送装置の発現については、血管条のK^+チャンネルであるKvLQT1やラセン靭帯のcarbonic anhydrase IIは出生後から持続性の良好な発現を示す一方、Na^+, K^+-ATPase、Kir4.1、connexin 26やconnexin 30は出生から約2週間かけて発現の増強と分布の広がりを示すことが陰性コントロール群で確認された。CMV感染群では、感染の見られた血管条やラセン靭帯は低形成を示し、出生後に発現増強を示すこれら分子の発現がウイルス抗原の消失した以後も不良であった。これらのことから、発育期のCMVの内耳感染は聴覚受容器であるコルチ器の機能不全や聴覚神経伝達路の形成不全を引き起し、進行性の難聴を来す可能性が示唆された。
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