研究課題/領域番号 |
21790401
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
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研究機関 | 国立大学法人帯広畜産大学 |
研究代表者 |
青沼 宏佳 国立大学法人帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 共同研究員 (60451457)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2010年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2009年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 媒介節足動物 / 遺伝子診断 / マラリア / フィラリア |
研究概要 |
媒介節足動物のコントロールは感染症制圧の重要なキーのひとつであり、ヒトの発症予測や感染症拡大防止策の遂行には、媒介者である節足動物の病原体保有状況を正確に把握することが不可欠である。本研究ではこれまでに、媒介節足動物である蚊2種と病原体2種を用いて、LAMP法による感染蚊からの病原体検出システムの構築とその評価を実施した。すなわち、「ハマダラカ-マラリア感染モデル」と「ヤブカ-フィラリア感染モデル」を用い、蚊が保有している病原体を高精度で検出するシステムの構築をおこない、LAMP法を用いることにより、わずか1個の病原体であっても確実に検出することに成功している。一方、近年ヒトと媒介節足動物の両方において重要感染症の混合感染が報告されるなど、複数にわたる病原体の感染を同時に診断することの出来る手法の必要性が高まっている。そこで本研究では、複数種の病原体を同時に検出するためのマルチプレックスLAMP法の開発を実施した。まず、マラリアとフィラリアを検出するためのプライマーセソトに、それぞれ異なる蛍光標識を施した。次に、それぞれの感染蚊を用意し、体内の病原体数を顕微鏡観察によって同定した。これらのマラリア感染蚊とフィラリア感染蚊を混合した「混合感染蚊モデル」から核酸を抽出してDNA増幅テンプレートとし、2種の病原体を同時に検出するマルチプレックスLAMP法を検証した。この際、マラリア、フィラリアについて、様々な病原体数での組み合わせについて検討をおこなった。その結果、蛍光標識した混合プライマーセットを用いることにより、蚊が体内に保有しているそれぞれの病原体を、極めて高い感度で特異的に検出することに成功した。以上の結果から、本研究のマルチプレックスLAMP法が、複数感染症が流行している地域において、感染症媒介節足動物を監視するための有用な手段となる可能性が示唆された。
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