研究課題/領域番号 |
21790402
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学(含衛生動物学)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
城戸 康年 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (90511395)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2010年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2009年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | トリパノソーマ / シアン耐性末端酸化酵素 / Alternative oxidase / アスコフラノン / タンパク質構造解析 / 薬剤開発 |
研究概要 |
アフリカトリパノソーマ原虫のユニークなエネルギー産生系に注目することで、薬剤標的であるシアン耐性末端酸化酵素(Trypanosome alternative oxidase ; TAO)の生化学的解析とその特異的阻害剤アスコフラノンの実用化に向けた研究を行ってきた。薬剤標的であるTAOの精製、反応機構に関する研究、三次元構造解析などを行うことでTAOとアスコフラノンの相互作用を分子レベルで解析すると同時に、糸状菌Ascochyta visiaeの2次代謝産物であるアスコフラノンの工業的生産に向けてA.visiaeにおけるアスコフラノン生合成研究を進めた。 精製TAOを用いて酵素学的解析を行うことで、アスコフラノンは基質であるユビキノールに対して混合型の阻害様式を示すことがわかった(Kido et a1.Biochim Biophys Acta.)物理化学的解析に関してはEPRやFTIRを用いて酵素反応機構の研究に必須な酸化還元電位の解析を行った(Marechal et a1.J.Bio1.Chem.)さらに、三次元構造解析のためTAOの結晶を得ることに成功し、解像度2.8AのX線回折像が得られた(Kido et a1.Acta Crysta.)これはTAOが属する膜結合型二核鉄タンパク質で初めての結晶報告である。 また、アスコフラノン生合成解析については、A.visiaeを安定的に培養する条件を見出すことができ、アスコフラノンおよびその類似体の抽出に成功した。その類似体の中にTAOを阻害するものが存在することも確認することができ、A.visiaeの遺伝学的な解析を行うための準備が整った。 これまでの研究により薬剤標的であるTAOの分子レベルでの解析が大幅に進展したと同時に、アスコフラノンの大量培養法による工業的生産に向けた第一歩を踏み出せた。
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