研究課題
若手研究(B)
マウスまたはラット運動神経細胞のシナプス側と細胞体側を分離培養する系を改良するため、シナプス側と細胞体側それぞれの培地条件を最適化した。マウス骨格筋抽出液を運動神経細胞シナプス側へ添加することにより、マウス運動神経細胞のシナプス伸長が有意に促進された。分離培養チャンバーを用いたヒトポリオウイルス(PV)受容体(hPVR)-トランスジェニック(Tg)マウス運動神経細胞培養系において、細胞体側からGFP発現欠陥干渉PVを感染させた場合には、感染6時間後にはGFP発現が確認されウイルス複製開始が認められたのに対し、シナプス側から感染させた場合には、感染24時間後まではGFP発現が確認されず、48時間後に初めてGFP発現が確認され、感染48時間後までにウイルス複製開始していることが明らかになった。この結果から、細胞体側からとシナプス側からのPV感染には、感染効率に大きな差があるか、もしくは感染様式に質的な差がある可能性が示された。生細胞内での蛍光蛋白質の挙動を4次元イメージングするための条件検討として、CO_2培養器付き共焦点レーザースキャン顕微鏡を用いGFP発現細胞の蛍光観察を行った。培地をCO_2非依存培地に変更し密閉系で培養することで、細胞の状態が良いまま顕微鏡下での長期培養が可能となった。しかし、レーザー強度、ピンホールサイズ、Z断面数等について条件を幅広く振り検討したが、検討したいずれの条件でも、長時間観察ではレーザーによる細胞ダメージを免れなかった。
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