研究課題/領域番号 |
21790440
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
守屋 智草 東京大学, 医科学研究所, その他 (90518101)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2010年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2009年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | HIV-1 / ワクチン / センダイウイルスベクター |
研究概要 |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV-1)は活性化したメモリーCD4陽性T細胞に感染するため、ワクチンとして接種するウイルスベクターにより誘導された免疫の活性化は、逆にHIV-1の増幅を促進する可能性が考えられ得る。実際、アデノウイルスベクターを用いた臨床試験において、このことが実際ヒト体内で起こり得る可能性を示唆する結果が報告されている。本研究では、センダイウイルス(SeV)ベクターの投与により霊長類体内ではどのような免疫反応が惹起されるかを精査し、特にHIV-1の増殖を亢進するような免疫の活性化、それに伴うHIV-1標的細胞の増加が起こり得るのか、あるとするならばどの程度の規模で起こるのかを解明し、それを防御する方法を探索することとした。カニクイサルにSIV Gag発現SeVベクターを接種後、経時的に末梢血を採取し、CD4+T細胞集団中のCCR5またはKi67陽性細胞の割合をそれぞれ抗体で染色、FACSで解析することにより検討した。Ki-67+CD4+T細胞の割合は接種後に緩やかな上昇が見られ、ウイルスベクター接種によるCD4+T細胞の活性化が行われたことが窺えた。しかしながらCCR5+CD4+T細胞の末梢血での割合はベクター接種1週後で一過性の上昇をみる個体もあったものの、全ての個体が2週後には投与前と同程度の割合に低下し、当該ワクチンプロトコールで惹起された免疫の活性化は、少なくとも末梢血のHIV-1標的細胞の顕著な増加を誘導するものではないと考えられた。今後は特に、CCR5+CD4+T細胞が豊富に分布する腸管粘膜組織等での検討が極めて必要と考えられる。(688字)
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