研究課題/領域番号 |
21790442
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 陽一 京都大学, ウイルス研究所, 准教授 (40432330)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2009年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | レトロウイルス / ヒト免疫不全ウイルス / マウス白血病ウイルス / インテグラーゼ / ユビキチン化修飾 / ユビキチンリガーゼ / Huwe1 |
研究概要 |
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に代表されるレトロウイルスの特徴として、標的細胞進入後に合成されたウイルスDNAを染色体に組み込むことがあげられる。この反応はインテグレーションとよばれ、ウイルス由来酵素であるインテグラーゼ(IN)によって触媒される。近年、INはウイルスDNAや様々な細胞性因子とともに高分子複合体を形成し、さらにはリン酸化やユビキチン化といった細胞内修飾を受けることが示されている。すでに研究代表者は、マウス白血病ウイルス(MLV)とHIVのINに結合する細胞性因子としてHuwe1を報告してきた。Huwe1はHECT型E3ユビキチンリガーゼであることから、この分子がINの細胞内修飾に関与する可能性が考えられる。そこで平成21年度は、レトロウイルス感染におけるHuwe1の役割について解析をおこなった。これまでに、INのユビキチン化は、INのみを発現した細胞でのみ報告されているが、我々の実験では、HIV感染によって標的細胞に持ち込まれたINもユビキチン化修飾を受けることを確認した。つまり、INのユビキチン化は実際のレトロウイルス感染で見られる現象である。次に、Huwe1の、INのユビキチン化への関与を検討したが、HIV INの細胞内ユビキチン化修飾はHuwe1のsiRNAノックタウンによって影響を受けなかった。このことは、INのユビキチン化を触媒する別の酵素が存在することを示唆している。さらに、Huwe1をノックダウンした細胞のHIVベクターに対する感受性は、コントロール細胞におけるそれと変化がみられなかった。しかし、ノックダウン細胞から放出されるHIVの感染性は、コントロール細胞由来のウイルスに比較して、有意に増加していた。これらの結果は、IN結合性E3ユビキチンリガーゼHuwe1がHIV複製の後期過程において感染性ウイルス粒子の形成を制御する可能性を示すものである。
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