研究概要 |
対象者は442名(平均年齢74.8±12.4歳,女性236名)であり,内訳は脳疾患が296名,大腿骨近位部骨折が146名であった.病棟分類は急性期病棟が221名,回復期病棟が221名であった.健康効用値は,Global scoreが-0.01,視覚が0.81,聴覚が0.82,発話が0.68,移動が0.21,手先の使用が0.67,感情が0.63,認知が0.44,疼痛が0.67であり,移動と認知で低い値を示した.項目反応理論分析では,難易度が低い項目としては移動,感情,認知であり容易に回答できる項目であることが分かった.他の項目については中等度の難易度であった.識別力については0.2~0.3 以上あれば十分とされるが,視覚0.56,聴覚0.84,発話1.57,移動1.29,手先の使用0.86,感情1.02,認知1.83,疼痛0.71であり,全ての項目で高い識別力を示した.特に発話,移動,感情,認知の項目において高値であった.HUI3の測定特性としては,各項目に回答する難易度が低く識別力も高い尺度であることより,対象者に対して適切な評価を行えることが示された.また,その中でも特に移動,感情,認知の面において高い識別力を示したため,身体面に加えて精神面へのアプローチも多いリハにとっては,アウトカム指標として有用であることが示唆された.
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