研究課題/領域番号 |
21790804
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
腎臓内科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋行 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (10452179)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2011年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2010年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2009年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | アンジオテンシンII / 腎障害 / 尿中アンジオテンシノーゲン / 高血圧 / Rho-kinase(ROCK) / Epidermal growth factor receptor |
研究概要 |
雄WistarラットにAngII(400ng/kgBW/min)を浸透圧ポンプを用いて14日間投与し、fasudil : ROCK阻害薬(20mg/kgBW)と、gefitinib : EGFR阻害薬(3mg/kgBW)の腎病変および尿中アンジオテンシノーゲン(Atg)排泄量に及ぼす効果を調べた。 AngII投与により、糸球体における細胞増殖(PCNA 46.8±4.3,Ki67 5.5±1.3)を有意に増加させる。またfasudilおよびgefitinib投与はともに糸球体における細胞増殖を有意に抑制させた(fasudil:PCNA29.9±2.3,Ki67 2.7±0.5)、(gefitinib : PCNA25.2±6.4,Ki67 0.4±0.5)。 糸球体内AngII量を免疫染色で検討すると、AngII投与によって糸球体内AngII染色強度は有意に増加することが示された。fasudil投与は、糸球体内AngII染色強度増強を抑制するものの、gefitinib投与では抑制しなかった。 尿中Atg排泄量は、腎内AngII活性と相関することがすでに我々のグループの山本が報告している。本モデルにおける尿中Atg排泄量を測定すると、コントロールにおいては125±18ng/日であるのに対し、AngII投与により尿中Atgは625±86ng/日と有意に増加し腎内AngII産生量が増加していることが確認された。この増加した尿中Atg量は、fasudilにより有意に低下(378±39ng/日)したものの、gefitinibによっては変化しなかった(739±94ng/日)。 以上の結果は、1.糸球体における細胞増殖と糸球体内AngII量と同様の推移をすることから、腎内AngII産生と糸球体増殖病変には強い関連があること、2.糸球体内におけるAngII依存性AngII産生はRhoキナーゼの関与が推察されること、3.尿中Atg排泄はAngIIによって増強するが、これにRhoキナーゼの関与が推察されること、が推察された。
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