研究課題/領域番号 |
21790938
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
膠原病・アレルギー内科学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
宇津木 光克 群馬大学, 医学部, その他 (40396635)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2009年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 樹状細胞 / レドックス / Th1 / Th2 |
研究概要 |
免疫応答が成立する過程において、樹状細胞は抗原提示機能を介してそれ以後の免疫応答の性質を決定している。レドックスとは酸化還元に基づく蛋白質の可逆的構造変化によって種々の細胞機能を制御することを意味する。本研究では還元型と酸化型グルタチオンのバランス、すなわちグルタチオン・レドックスによる樹状細胞の機能変化を検討し、更にその後のT細胞の免疫応答(Th1/Th2/Th17)に与える影響についても検討した。glutathione ethyl monoester(GSH-OEt)による末梢血単球由来樹状細胞(MD-DC)内の還元型グルタチオン(GSH)濃度増加は、LPS惹起IL-12およびIL-27産生を増強し、ナイーブT細胞との共培養によるTh1反応を増強した。この反応はIL-12中和抗体およびIL-27siRNA投与によって抑制された。一方、L-buthionine sulfoximineによるMDDC内GSH濃度減少は、IL-12およびIL-27産生を抑制し、ナイーブT細胞との共培養によるTh1反応を抑制した。加えてTh2誘導因子であるTSLPで成熟させた骨髄性樹状細胞においても、GSH-OEtはTh2への反応を抑制し、かつTh1への反応を増強した。この反応もIL-12中和抗体投与およびIL-27siRNA投与にて抑制された。しかしTh17反応に関与するIL-23産生においては樹状細胞内GSH濃度による変化は認められず、CD4陽性T細胞との共培養によるIL-17産生にも変化を及ぼさなかった。以上より、樹状細胞のグルタチオン・レドックスの変化が、IL-12、IL-27産生を介してTh1/Th2細胞応答を制御できること、一方でTh17応答には影響を及ぼさないことが明らかとなった。
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