研究概要 |
早期のIgA腎症は,検診で血尿、蛋白尿で偶然発見される無症候性の腎臓病である.本研究では,早期IgA腎症,ANCA関連腎炎,膜性腎症の腎生検組織を用いて、Toll like receptor(TLR)と炎症性サイトカインのmRNAの発現解析を行った.その結果,早期IgA腎症では,他の腎疾患に比してTLR9の発現が優位に高く,サイトカイン解析では、IFNαの発現が著明に亢進していることが明らかとなった。これらの結果から,早期のIgA腎症では自然免疫が亢進した状態であることが明らかとなった.TLR9シグナルやIFNαを抑制することがIgA腎症の新しい治療法となる可能性が示唆された.
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