研究課題/領域番号 |
21791024
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 日本女子大学 (2010) 独立行政法人国立成育医療研究センター (2009) |
研究代表者 |
大熊 加奈子 日本女子大学, 人間社会学部, 学術研究員 (00399487)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2010年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2009年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 乳幼児 / テレビ / ビデオソフト / 長時間視聴 / NIRS / 言語発達 / コミュニケーション / 脳活動 |
研究概要 |
質問紙調査で、1歳半の言語遅れのない児が多く好むビデオ(遅れなしV)に比べ、遅れの児が多く好むビデオ(遅れV)は、登場人物が視聴者向きに語りかける場面は少ないが、映像変化は多く、長時間傍観的に見続け易い内容特性を多く有すること、成人の脳活動計測で、遅れV視聴時の方が前頭部の血流上昇箇所(数秒間上昇し、下降)が有意に少ないことが確認された。そこで、本年度は脳活動計測結果の詳細な解析を行うと共に、家庭で長時間視聴中の1歳半児の行動を観察した。 1.20~40歳の女性19名を対象に、遅れなしVと遅れVを各3分と、前後と間に30秒の風景静止画を挟んで繋いだ映像を視聴中の前頭部、左側頭部、右後頭部を近赤外線スペクトロスコピーで計測した。 計測中のOxy-Hb量は、3部位とも所々で上昇箇所が見られたが、経時的には減少傾向を示した。視聴中の減少量をビデオ間で比べると、右視覚野は有意差はなかったが、前頭部と左言語野は遅れVの方が減少量が有意に多かった。 血流上昇箇所の頻度は前頭部で最も多く、遅れなしVの方が有意に多かったが、上昇箇所の場面は、両ビデオとも登場人物の表情のアップで最も多く、遅れなしVは161ヶ所中118ヶ所(73.3%)、遅れVは140ヶ所中80ヶ所(57.1%)であった。 2.1歳半児10名を対象に、家庭で好みのTVがついている時の様子を2時間程度ビデオ撮影した。解析が終了した3名の平均注視時間は9.9±13.8(1-79)秒、42.5±65.0(1-298)秒、30.5±61.7(1-427)秒で、観察時間中の総注視時間は38.0%、88.4%、65.4%で、後者2名は非常に長かった。 TVを長時間見続ける場合があることが示唆されたが、脳活動は、内容によって一時的な血流上昇がみられるものの、経時的には低下することが予想されるため、発達に影響する可能性が考えられる。
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