研究課題/領域番号 |
21791243
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
藤井 孝明 群馬大学, 医学部, 助教 (40507331)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2009年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 腫瘍血管新生 / TGF-β / VEGF / FGF-2 / angiogenic switch / PDGF-AA / p70S6K / 血管新生 / シグナル伝達 / angioenic switch / rapamycin |
研究概要 |
TGF-βはFGF-2依存性のVEGF発現に対し抑制作用を認め、さらにFGF-2依存性のHGF発現も抑制し、TGF-βはPDGF-A/p70S6K経路に対し抑制作用があることが示唆された。また、TGF-β依存性にVEGF発現亢進作用を認めるが、TGF-β依存性のHGF発現亢進作用は認められず、さらに各種シグナル阻害剤処置の結果より、PDGF-A/p70S6Kに非依存性のVEGF発現経路が関与している可能性が示唆された。生体における役割としては、過剰なVEGF発現を抑制する作用、またinitiation signalの終了などに関与していると考えられる。このTGF-βがPDGF-AA/p70S6Kシステムを抑制するという所見は、TGF-βの上皮細胞に対する抑制機構の一つである可能性が考えられ、TGF-βのシグナル異常によりVEGF、HGFの発現が亢進されることも予想され、TGF-βが癌の悪性化の一旦を担うangiogenic switchに関与する分子であることを示唆し得る所見である。一方乳癌細胞株MCF-7に対するRapamycinの抗腫瘍効果について、VEGFの発現制御に着目して検討を行っている。MCF-7の増殖活性はRapamycin投与、またVEGFの中和抗体投与にて抑制された。また、MCF-7のVEGF発現はRapamycin投与により著明に抑制され、Rapamycinの抗腫瘍効果はVEGFの投与により阻害される傾向を認めた。一方、RapamycinによるVEGF発現抑制効果が認められなかった大腸癌細胞株HT29では、Rapamycinによる抗腫瘍効果は認められなかった。以上より、RapamycinはMCF-7のVEGF発現抑制による直接的な作用を介し、抗腫瘍効果に関与している可能性が示唆された。
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