配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2011年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2010年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2009年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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研究概要 |
すぐれた免疫抑制剤の開発により、臓器移植後の拒絶は減少し、臓器移植後の予後は向上した。しかし、免疫抑制剤の弊害(感染症,薬剤の副作用etc)が大きく患者のQOLを低下させている。従って免疫抑制剤を使用しなくても拒絶が起きない状態すなわち免疫寛容が成立することは大変に好ましい。臨床では、免疫抑制剤の不使用下に1年間、拒絶が起きない場合、免疫寛容が成立したとみなす。代表者らは、これまですでに免疫寛容となった小児生体肝移植の患者の血液や肝組織を用いて免疫寛容のバイオマーカーの探索を行ってきた。その結果、免疫寛容患者では末梢血レベルでCD4陽性CD25強陽性細胞、Vδ1 γδT細胞、CD19陽性細胞(B細胞)の増加、CD3陰性CD56陽性(NK細胞)の減少を認めた。また、移植肝のレベルではFOXP3陽性細胞の増加、特定の塩基配列をもつVδ1 γδT細胞の増加を認めた。その上、代表者はヒトのTregsには、以前からその存在が分かっていたメモリー表現系を有し不応答性(=増殖しない)のTregs(メモリーTregs)以外に,メモリーTregsの前駆細胞と想定されるナィーヴ表現系を有し増殖が可能なTregs(ナィーヴTregs)が存在することを発見し、ナィーヴTregsを用いるとナィーヴTregsに抗原特異的な制御活性を持たせると同時に増殖させることを見出した。この研究を通して、これからの免疫寛容のバイオマーカーの候補因子を経時的にプロスペクティヴに調べ、免疫寛容のバイオマーカーを探索する。免疫寛容が誘導できるかどうかを主要ポイントとする。
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