研究課題
若手研究(B)
我々は、乳癌細胞株や切除組織を用いて、種々の癌腫の癌幹細胞マーカーとして報告されているCD44、CD133、EpCAM、CXCR4、c-METなどを発現する細胞集団の有無を解析した。その結果、EpCAM以外の表面マーカーでそれぞれ陽性・陰性の細胞集団を見出した。また、乳癌細胞を用いて、癌幹細胞の分化や癌間質相互作用に深く関与するNotch ligandや宿主の腫瘍免疫に関与するFAS/FasL、LCP1の発現を解析した。Notch ligandの中ではDLL1のみが高発現しており、DLL1が乳癌の治療標的と成り得ることが明らかとなった。FAS/FasLは他の癌腫よりも低発現しており、宿主の免疫応答を受けにくいことが示唆された。LCP1高発現乳癌症例は予後不良と報告されており、LCP1が治療抵抗性乳癌細胞のマーカーと成り得ることが判明した。一方で、癌組織由来間質細胞から間葉系・内皮系幹細胞マーカー発現細胞を分取し、生物学的機能解析を行った。その結果、大腸癌や膵癌などの癌腫でCD10陽性癌関連間質細胞が、癌細胞の浸潤・転移・腫瘍形成を強く促進することが明らかとなった。これらの新たな癌幹細胞・間葉系幹細胞特異的な分子は、乳癌における新たな診断・治療標的と成り得ることを明らかにした。
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