研究課題
若手研究(B)
肝硬変症における門亢症の一因の肝内抵抗に関して、脾臓との関係に注目し、その分子的メカニズムの解明を目的とした。(1)ヒト肝硬変症例における脾臓でのpreproendothelin-1(ppET-1)、Endothelin converting enzyme(ECE)、Transforming growth factorβ1(TGFβ1),Tumor necrosis factor α (TNFα)のmRNAの発現に関してrealtime PCR法を用いて検討を行ったところ、肝硬変の脾臓においては、非門亢症症例の脾臓に比べ、ppET1の発現が有意に高値であった。胆汁性肝硬変モデルを用いて行った検討においては、開腹群1.81±0.5pg/mlであるのに対して、BDL群4.17±0.62pg/mlと有意に高値を示し(p<0.05)、BDLに脾摘を行った群では、有意差はないものの低下傾向を認めた(3、38±0.53pg/ml,p-0.056)。脾臓の免疫染色を行ったところ、BDL群では開腹群に比べ有意にET-1の高発現を認めた。BDL群では、開腹群に比べ、肝組織中のRhoA、RockIIの発現が有意に高値で、脾摘を行うことで、その発現が有意に低下することが分かった(p<0.05)。Rho kinese活性においても同様にBDL群では、開腹群に比べ、肝組織中のRhoAの活性が有意に高値で(p<0.01)、脾摘を行うことで、その活性が有意に低下することが分かった(p<0.05)。脾臓由来のET-1が肝星細胞を収縮させ、肝内抵抗を増加させ、肝内の微小循環に影響を及ぼしている可能性が示唆された。
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