研究課題/領域番号 |
21791340
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
中島 崇裕 千葉県がんセンター(研究所), その他 (20400913)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2010年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2009年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非小細胞肺がん / リンパ節転移検体 / 超音波気管支鏡ガイド下針生検 / 生検検体を用いた分子生物学的解析 |
研究概要 |
平成21年度は、当初の計画を大幅に上回る308症例に対し超音波気管支鏡ガイド下針生検(EBUS-TBNA)を施行し、91例において凍結検体を採取しリンパ節転移腫瘍組織バンクの構築を行った。分子生物学的解析に耐えうる検体を恒常的に採取することを目的とし、生検針の違いによる組織検体採取率および検体の特徴に関する解析を行った。この結果、太い針の使用により検体量は増加するものの、血液の混入が問題となることが明らかとなった。 薬剤感受性に関する研究として、(1)EGFR、K-ras、p53の各遺伝子について遺伝子変異解析を行い、臨床上の治療法選択ならびに治療効果との比較検討を行った。この結果、EGFR遺伝子変異を有する症例に関してはGefitinib投与により90.9%の病勢制御が得られることが判明した。また、p53遺伝子変異を有する症例では、化学療法に抵抗性を示す傾向があることも判明した。(2)ALK融合遺伝子の検出についてEBUS-TBNA検体での検討を行った。この結果、全体の6.4%にALK融合遺伝子を認め、ALK融合遺伝子を有する肺癌では、原発腫瘍径が小さい傾向にあるものの、局所進行および進行肺癌が多い傾向にあることが明らかとなった。生検検体での検査法を確立したことにより、手術適応のない症例においても、ALKを標的とした分子標的治療の適応可否の判定が可能となった。(3)EBUS-TBNA検体より抽出したRNAについて、RNA抽出法およびRNAの質に関する検討を行った。適切な取り扱いにより、比較的断片化の少ないRNAを1μg以上得られることが判明した。また、cDNAを用いたDNA修復遺伝子(ERCC1)の発現について解析を開始した。 肺癌における腫瘍細胞の多様性を明らかにし、リンパ節転移の制御を目的として、原発腫瘍とリンパ節転移腫瘍の両方が得られた8検体について、アレイCGHを用いた解析を行った。その結果、原発腫瘍とリンパ節転移腫瘍では、染色体上の変化に大きな違いは認めないものの、細かな点ではgainやlossの違いを認めており、これがリンパ節転移に関連する可能性があると考えられた。現在、相違点を中心にさらに詳細な検討を行っている。
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