研究概要 |
中枢神経系への新規薬剤送達技術であるconvection-enhanced delivery(CED)を用いた局所治療により全身性免疫を誘導する方法を探ることを目的に研究を開始した.まず,化学療法剤ACNUを局所投与した際に生じる組織変化の検討を行い,局所毒性が無視できる低容量でACNUを脳内へCED法を用いて投与した後,一過性に血液-脳関門の透過性が亢進することを発見した.この発見を受けて,まず全身性化学療法との併用を試みた.ラット脳腫瘍モデルを用いた研究で,ACNU投与後7-12日にドキソルビシンリポソームの全身投与を行うと腫瘍モデルの生存が延長することが示された.続いて,局所に免疫関連タンパクOX-40をコードするアデノウイルスをCED法を用いて局所投与し,免疫を誘導する方法での抗腫瘍効果を確認した.
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