研究課題/領域番号 |
21791355
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
伊藤 元一 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (20378160)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2010年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2009年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 悪性脳腫瘍 / 武装化細胞障害性T細胞 / 養子免疫療法 / EGFRvIII |
研究概要 |
悪性グリオーマに対する免疫療法は、ペプチド等を用いた能動的免疫療法を中心に行われている。この方法は、患者自身の免疫力を高めることを狙った治療法であり、患者の免疫力が低下して免疫応答がうまく導けない場合には効果が期待できないという点で治療の限界が生じる。本研究による方法では、エフェクター細胞であるCTLに腫瘍特異性を持たせて体外で増やした後に患者に投与する受動免疫療法の基礎を築くものであり、この方法を用いた養子免疫療法は免疫力が低下あるいは抑制されている患者においても試験管内で狙った特定の免疫細胞を強力に誘導、活性化することによって効果が期待できるという点で魅力的な治療法である。またペプチドワクチン免疫療法のようなHLAの型による治療適応の制限がなく、より多くの患者に対して治療が行えることも利点である。悪性グリオーマの治療としては、他に同様の報告はされておらず、極めて独創的である。本研究により遺伝子改変CTLの強い抗腫瘍効果が示されれば難治性腫瘍である悪性グリオーマに対する新たな治療戦略として期待され、今後の発展の基礎となるものであり極めて意義深いものになると考えられる。 平成21年度は、抗EGFRvIIIモノクロナール抗体とそれを単鎖抗体化したペプチドから得られた遺伝子情報と細胞内シグナル伝達の役割を果たすヒトCD3ζの可変領域とCD3ζをつなぐCD8α遺伝子情報を元に、TCRの可変領域部分を抗EGFRvIII抗体とし細胞内シグナルドメインとしてCD3ζを結合させたDNAフラグメントを作成した。抗EGFRvIII抗体遺伝子が正しく組み込まれたかを調べるために、完成したDNAフラグメントをプラスミドベクターに組み込んで血球細胞株に遺伝子導入後、RT-PCRやウエスタンブロッティング法、フローサイトメトリーによって発現を確認した。
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