研究概要 |
ラット脳より毛細血管内皮細胞,アストロサイト,ペリサイトを分離培養し,血液脳関門のin vitroモデルを作成した.スタチンを投与することでTEERは約30%上昇し,sodium fluorosceinの透過性は低下し,バリア機能が上昇した.さらにスタチン投与にてclaudin-5の発現が上昇した.細胞内除法伝達経路としてはGGPPが重要であることを同定した. 臨床症例では特に内頸動脈海綿静脈洞瘻の患者5例について臨床像,血管造影所見,治療効果などについて分析した.臨床症例では原因は交通事故3例,転倒・転落2例で,外傷から治療までの期間は1ヵ月から7ヵ月であった.血管造影上,全例で上眼静脈への流出を認め,眼症状を来した.Cortical refluxを伴っていた症例では脳出血を合併した.シャント量はhigh flow 3例,moderate flow 2例であった.治療はシャント閉塞術を3例に,母血管閉塞術を2例に施行した.治療後に3例でシャントは消失し,2例でわずかに残存したが,その後閉塞した.治療後に眼球突出および結膜充血は改善したが,1例で軽度の外転神経麻痺が残存した.1例で脳出血による運動性失語と右半身麻痺が残存した.
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