研究課題
若手研究(B)
さまざまな細胞内外のストレスを検証してきた過程で細胞の増殖シグナルであるEGFRシグナルの装飾や細胞内での転写因子などの分子に注目した。細胞増殖シグナルをブロックするストレス; EGFRは尿路上皮癌の治療において有用なターゲットであることは論を待たない。しかしながら臨床の場での有効性は少数の患者に限られる。我々はEGFRに対する特異抗体C225の効果を規定するマーカーを検索することとした。11の膀胱癌細胞株をC225で処理し[3H]チミジン取り込みアッセイでその効果を判定した。またEGFRの発現状況をタンパク質レベルではウエスタンブロットで、遺伝子のコピー数を判定する目的でFISH法を用いた。さらに各々の細胞株のmRNAを用いてマウクロアレイを行ない、C225の感受性を予測する因子を検索した。その結果HER4、Eカドヘリン、Hカテニンの発現上昇、PDGFRの発現低下がC225の効果を予測する因子であることが判明した。更に、EカドヘリンのノックダウンをC225抵抗性細胞で行なうとC225感受性が開腹する現象が観察された。これらの結果はEカドヘリン、HカテニンなどのEMTマーカーがC225の感受性を制御する事実を示唆している。転写機能調節を介したストレス; Bacillus Calmette-Guerin(BCG)は免疫反応を通して表在性の膀胱癌に対する抗腫瘍効果を来たすとされている。マウスのT-リンパ球、helper T-細胞、natural killer T-細胞を欠損させるとBCGを介した抗腫瘍効果が減弱することが知られている。Peroxisome oliferator-activated receptor(PPAR)は脂肪代謝、細胞増殖などを支配する転写因子である。PPARが膀胱癌の患者サンプル中に高発現している上、variant PPAR alleleがBCG治療にナイーブな患者集団の腫瘍の再発に影響することが認められる。更にPPARのアゴニストはnatural killer T-細胞を活性化する。従ってBCGによる治療レジメンにPPARのアゴニストを加えることで潜在的な抗腫瘍効果を促進させる可能性がある。これらの細胞内外のストレス応答を介したシグナル調節によって進行性泌尿器癌の治療応用が可能となるかもしれない。
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すべて 雑誌論文 (16件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (10件)
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