研究概要 |
外傷性脊髄損傷モデルラットに対して脂肪組織由来幹細胞adipose-derived stem/stromal cells(ASCs)を経静脈的に移植すると,障害を受けた後肢運動機能の回復が顕著に促進し,脊髄損傷部の空洞が小さい,すなわち,脊髄損傷に対する治療効果が得られた.その作用機序の一つとして,従来では炎症の指標とされるcytokine-induced neutrophil chemoattractant-1の多様な作用を介する可能性が示唆された.また,移植したASCsの長期生存は認められなかったことから腫瘍発生等の危険性は少なく,移植細胞としてASCsは安全であることが示唆され,中枢神経再生療法における脂肪組織の有用性が高まった.
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