研究課題/領域番号 |
21791809
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
根津 顕弘 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00305913)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2010年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2009年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | In vivo / 唾液腺細胞 / 細胞内Ca^<2+>動態 / 唾液分泌反応 / 細胞内分子動態 / イノシトール三リン酸(IP_3) |
研究概要 |
平成22年度は、in vivoでのラット顎下腺におけるCa^<2+>応答の測定法の改良と、IP_3バイオセンサーLIBRAvの顎下腺への導入を行った。 ラット顎下腺開口部からCa^<2+>蛍光指示薬fura-2/AMを逆行性に注入し、顎下腺にfura-2を負荷した。Fura-2を負荷した顎下腺を蛍光顕微鏡で観察すると腺房および導管細胞を含めた組織全体に十分なfura-2蛍光が観察された。顎下腺局所に30G注射針を挿入しムスカリン受容体作動薬で刺激したところ、その投与した部位に大きなCa^<2+>の上昇が観察された。 IP_3感受性を向上した改良型LIBRAv(cLIBRAvIIs)発現プラスミドを作成し、そこからウイルスベクターを作製した。ウイルスベクターにより培養細胞に発現させたcLIBRAvIIsを精製し、IP_3に対する反応性を調べたところ、cLIBRAvIIsはLIBRAvに比べIP_3に対する感受性が2倍以上高いことが確かめられた。精製したcLIBRAvIIを単離腺房細胞に導入した。ムスカリン受容体作動薬により腺房細胞のcLIBRAvIIsの蛍光比上昇が観察された。cLIBRAvIIs発現ウイルスベクターをラット顎下腺に逆行性に注入し、顎下腺にcLIBRAvIIsの導入を試みた。その結果、舌下腺では蛍光は認められず、顎下腺のみにcLIBRAvIIsの蛍光が観察された。さらに顎下腺を酵素処理で単離したところ、腺房細胞にcLIBRAvIIsが発現していた。しかし発現の割合は10~20%と低かった。またウイルスベクターを導入した顎下腺では、組織に炎症は認められないものの、導入していない顎下腺と比べ唾液分泌量の40~50%程度の低下が認められた。Fura-2やcLIBRAvIIsウイルスベクターの導入方法を改良することで、より精度の高いin vivoでのCa^<2+>とIP_3動態やそれに応答する唾液分泌反応の解析が可能となると考えられる。
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