研究概要 |
sodium valproate(VPA)単独およびHydralazine(Hy)との併用によるFasおよびNKG2Dを介するOSの感受性に及ぼす影響を検討した.VPAとHyの併用は膜結合型FasおよびMICの発現を亢進させ,sFas(10-40%)やsMIC(最大30%程度)を有意に減少させた.またこれらの結果よりFas抗体およびNKG2Dを介したOSの細胞死を有意に増加させた.更にMMP9がsMIC形成機構に関与していることを証明した.以上の結果より,DNAメチル化阻害剤とヒストン脱アセチル化阻害剤の併用はOSの抗腫瘍免疫細胞に対する感受性を増加させることが示された.VPAはすでに抗てんかん薬として,またHyは降圧剤として広く臨床応用され,安全性・至適濃度はすでに確認されている.今回使用した濃度はその範囲内であることから,人体への影響が少なく,かつ早期にOSの治療に応用可能であることが示唆された。
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