研究概要 |
本研究では機能的磁気共鳴装置(fMRI)を用いてヒトにおける手指運動と顎運動における脳活動についての検討および咀嚼筋筋活動と歯の接触を因子とした脳賦活範囲の検討を行った.被験者は各実験共に14名としタスクは拳の握りしめと歯の咬みしめ,歯のタッピング運動とタッピング様運動の2グループとし, fMRIにて測定を行った.拳の握りしめと歯の咬みしめ中の脳活動部位は両タスクにてsensorimotor cortex, supplementarymotor areaにて検出された.しかしながら歯の咬みしめ中のタスクでのみprefrontal cortexの活動も検出された.歯のタッピング運動とタッピング様運動のでは安静時と比較して両課題共にsensorimotor cortex, supplementary motor cortex, prefrontal cortexに賦活を認めたが両課題間に有意差は認めなかった.以上の2つの実験結果より,クレンチング中の脳活動は他の運動と比較して特異的な脳活動を示し,その活動において歯の接触以外の要素が脳賦活に大きく関与していることが示唆された.
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