研究概要 |
本研究では,統合失調症で入院中の高齢患者に口腔ケアを施行し,その口腔環境に及ぼす効果について検討した。口腔ケア介入により口腔衛生状態,口臭,口腔乾燥などの口腔環境の改善を認めた。また,介入16週後において精神症状(陰性症状,総合精神病理)と生活障害(持続性・安定性)の有意な改善を認めた。唾液ストレスマーカーについては,介入16週後にアミラーゼ活性値が有意に減少した。以上より,統合失調症患者への定期的かつ継続的な口腔ケアの介入は,口腔環境の改善のみならず精神症状や精神的ストレスを増強することなく口腔環境を改善することが示唆された。
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