研究課題
若手研究(B)
本研究の目的は、(1)がん体験者のレジリエンス尺度を開発し、(2)レジリエンスに影響を与える要因を明らかにすることである。がん体験者137名を対象に、がん体験者のレジリエンス予備尺度、ハーディネス尺度、積極的困難受容尺度、抑鬱不安尺度、主観的well-being尺度を使用し調査を行った。因子分析の結果、がん体験者のレジリエンスとして、「日常への感謝」(α=.89)、「肯定的な感情調整(α=.92)」、「消極的な他者関係(α=.82)」の3因子が抽出され、それぞれ高い内的一貫性が確認された。がん体験者のレジリエンスは、年代、治療後期間が影響要因として関与していた。がん体験者のレジリエンス「日常への感謝」は、積極的困難受容と抑鬱不安を促進していた。「肯定的な感情調整」は、積極的困難受容と主観的Well-beingを促進し、抑鬱不安を抑制していた。「消極的な他者関係」は、抑鬱不安を促進していたことが示唆された。