本研究は3年計画で、小児救急の電話相談の利用実態と保護者が小児救急の電話相談に望み期待することを明らかにし、小児救急の電話相談における保護者に対する適切な対応のあり方を検討することを目的として行う。 初年度の平成21年度は、小児救急の電話相談に関する国内の文献の検討を行った。文献検討の視点は小児救急の電話相談に関する調査・研究の動向や課題についてである。文献検討より、小児救急の電話相談事業(#8000)の開始に伴い調査や研究の報告が増えており、小児救急電話相談事業(#8000)の利用経験や認知度が低く啓発活動の必要性や相談員に対して確立された教育の必要性などが課題としてあげられていた。さらに、調査用紙作成の参考資料とするために、1~5歳の子どもを持つ保護者4名を対象に半構造的面接法によるプレインタビューを行った。面接内容は、子どもと保護者の基本情報、子どもが病気になったときに困ること、子どもが病気になったときの相談をする先、小児救急電話相談事業(#8000)を既知と利用経験の有無、小児救急の電話相談に望むことなどについてである。プレインタビューの結果から、子どもが病気になったときの困りごととして保護者は「自分の判断に自信がない」ことや「どこの病院にかかったらよいかわからない」などがあげられた。 以上の得られた結果を参考に、現在、調査用紙の案を作成中である。平成22年度は調査用紙を完成させ、乳幼児の子どもを持つ保護者を対象にプレテストを繰り返し、調査用紙の妥当性を確認した上で、本調査を実施する予定である。
|