研究課題/領域番号 |
21800029
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村松 里衣子 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (90536880)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,652千円 (直接経費: 2,040千円、間接経費: 612千円)
2010年度: 1,261千円 (直接経費: 970千円、間接経費: 291千円)
2009年度: 1,391千円 (直接経費: 1,070千円、間接経費: 321千円)
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キーワード | 皮質脊髄路 / 多発性硬化症 / 血管新生 |
研究概要 |
神経機能は、神経細胞間のネットワーク(以下、神経回路)により維持されている。しかしながら、脳梗塞、脳出血、脳外傷、脊髄損傷などにより中枢神経回路が損傷されると、神経回路が担っていた神経機能が失われる。この重篤な神経症状から回復するには、神経回路の再生が必要不可欠である。しかしながら、神経回路の再生を積極的に促す分子機構は明らかにされておらず、本分子メカニズムを解明することにより、効果的な神経再生薬剤の開発に貢献する可能性がある。 我々は、これまでに損傷を受けた神経回路の再生能力を賦活化する細胞内シグナルの同定に成功している。そこで、本研究では、同定した細胞内シグナルを増強した際に、中枢神経傷害における神経機能の低下を回復させるかを検討した。 中枢神経障害モデルとして、多発性硬化症のモデルマウスを用いか。本モデルマウスは、四肢の運動機能を担う皮質脊髄路が損傷を受けるが、時間経過に伴い、部分的な神経回路の再生と神経機能の回復が生じる。そこで本モデルマウスに、我々が同定した神経回路再生因子の阻害剤を持続的に処置することにより、神経回路の再生ならびに運動機能の回復が抑制されるかを検討した。その結果、同定因子の阻害剤を本マウスに髄膜下投与することにより、時間経過に伴う運動機能の自然回復は有意に抑制された。さらに組織学的解析から、皮質脊髄路の自発的な再生も阻まれることが示された。 これらの結果から、我々の同定した因子が、個体レベルで神経回路の再生および神経回路が担う神経機能の回復に、部分的に寄与することが示唆された。
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