研究課題/領域番号 |
21830176
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
特別支援教育
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研究機関 | 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
片桐 正敏 独立行政法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所・児童思春期精神保健研究部, 流動研究員 (00549503)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,639千円 (直接経費: 2,030千円、間接経費: 609千円)
2010年度: 1,248千円 (直接経費: 960千円、間接経費: 288千円)
2009年度: 1,391千円 (直接経費: 1,070千円、間接経費: 321千円)
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / 注意 / 社会性 / 社会的応答性 / 自閉症スペクトラム障害(ASD) / 模倣 / ミラーリング効果 / NIRS / 声の処理 |
研究概要 |
本研究は、自閉症スペクトラム障害(ASD)のある人たちを対象に、社会的な注意機能とその認知メカニズムについて検討することが目的である。平成21年度は、ASDのある人たちにおける注意機能の促進に関する実験的検討を行った。その結果、発達的な遅れがない2歳児、3歳児のASDのある子どもたちの社会的応答性が、大人によって子どもの行動を模倣するミラーリングをおこなった直後、もしくはその間向上したことを明らかにした。この研究は、ミラーリング効果が自閉症の症状の程度や発達段階にかかわらず、効果があるということが示され、かつ自閉症の重症度ではなく、IQによって人への注意機能や社会的応答性が変化することが示された。本研究の成果は、国際誌(Research in Autism Spectrum Disorders)に掲載された。 平成22年度は、社会的な刺激に対する脳の情報処理について検討を行った。ASDのある人は、社会的刺激に対して特異的な応答を行うことが知られているものの、その脳の情報処理ははっきり分かっていない。特に声に対する応答が弱いことが知られており、声、特に母親の声の処理は定型発達者と異なるのかを検討することで、ASDの社会性の認知メカニズムを知る手がかりが掴める可能性がある。研究では、近赤外線分光法(NIRS)を用いて、ASDのある子どもが声を聞いているときの脳血流を計測した。その結果、定型群で認められた声に対する側頭部位の脳血流応答がASDのある人では認められなかった一方、非言語音ではASDのある人のみ左側頭部位で有意な脳血流応答が認められた。この結果は、ASDのある人は声に対して特異的な情報処理を行っている可能性を示すものであり、非言語音に注意処理資源を用いて情報処理を行っていることを示唆する。
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