研究課題/領域番号 |
21830177
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
実験心理学
|
研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
下野 昌宣 独立行政法人産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 産総研特別研究員 (30552137)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
2,639千円 (直接経費: 2,030千円、間接経費: 609千円)
2010年度: 1,248千円 (直接経費: 960千円、間接経費: 288千円)
2009年度: 1,391千円 (直接経費: 1,070千円、間接経費: 321千円)
|
キーワード | P300 / Diffusion Tensor Imaging / 脳波 / fMRI / Intention |
研究概要 |
本研究での成果は5点である。1)EEGで計測されるP300の一試行分類を行う解析手法を開拓した。2)DTIによる脳構造の直接解析手法の確立。3)P300脳活動を生む認知成績に関連する脳構造の解明。4)fMRI,DTIを両方活用する事で、機能的脳活動が生じる脳部位の間での接続を可視化。5)産総研ではじめて、EEG-fMRI同時計測手法を確立した。 詳細:1)申請者は、EEGで計測した一試行ごとの脳活動に含まれるP300の成分(特徴量)を効率的に探索し、約5秒以内に高精度(>90%)で予測できる事を示した。しかし、1秒を切る速度で高精度の予測を行う目標に到達するには、さらなる工夫の必要性を感じていた。本研究の実施期間の途中から、MRI装置が使用可能となった。そこで、MRI装置で計測した脳内情報を用いて、EEGによる頭表面情報から脳内情報を推定する精度を向上させる事を目指した。そこで、2)DTIを用いて脳構造を直接計測する方法を確立した。この間、P300に関連した認知現象に関わる論文がHuman Brain Mapping誌(IF=5.395)にて発刊された。 3)申請者は、その認知現象の行動成績に関わる脳構造を調べる方法を導入した。その成果は、第12回日本ヒト脳機能マッピング学会にて優秀論文賞を頂いた。4)認知行動中に計測したfMRIデータも用いて、機能的に働く脳内領域同士をつなぐ経路を可視化した。この成果により,第25回日本生体磁気学会にて若手奨励賞を頂いた。本研究は、本年度4月頃に英専門雑誌に投稿した。5)EEG-fMRIを同時計測により、脳表面における機能的活動と脳内の機能的活動を同時に計測する事を可能とした。 以上の延長上として、脳波とfMRIをDTIの拘束条件を与えた元で統合する解析方法を開発する事を想定していた。申請者は、急遽、8月中旬より渡米をする事となったため、中断される事となったが、EEG-fMRIを同時計測可能となった成果は、産総研・仁木和久先生らの研究に活かされてゆく事が期待される.
|