研究課題/領域番号 |
21850007
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
宮村 浩之 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), その他 (00548943)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,704千円 (直接経費: 2,080千円、間接経費: 624千円)
2010年度: 1,287千円 (直接経費: 990千円、間接経費: 297千円)
2009年度: 1,417千円 (直接経費: 1,090千円、間接経費: 327千円)
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キーワード | 金ナノクラスター / ナノ触媒 / 酸素酸化 / 協調機能型触媒 / イミン / 酸化的エステル化 / 酢酸エチル合成 |
研究概要 |
研究代表者らは既に、ポリスチレンを基盤とする高分子に固定化した金ナノクラスター触媒(PI Au)が、アルコールやヒドロキノンの酸素酸化反応に有効に機能すること見いだしている。今回、内部に三級アミン部位を持つポリスチレンを基盤とするポリマー存在下、金塩を還元し、マイクロカプセル化、過熱架橋によって協調機能型高分子固定化金ナノクラスター触媒を開発した。本触媒をアミンのイミンへの酸素酸化反応に適用したところ、従来の高分子固定化金ナノクラスター触媒と比較して高い反応性を有することがわかった。これは、高分子内部の塩基部位が基質のプロトンの引き抜きを促進することで、金ナノクラスターによる酸素酸化と協調していると考えられる。一般的に金ナノクラスター触媒は5nm以下の小さいクラスターが高い活性を有することが知られているが、本反応においては10nm前後のクラスターが特に高い活性を示した。今回開発した触媒は10nm前後のサイズの金クラスターを多く含有していることから、内部に導入したアミン部位がそのようなクラスターを選択的に安定化している可能性も考えられる。本触媒は簡便な操作で回収でき活性を維持したまま再利用することができた。本結果は有機高分子担体を修飾することで、ナノクラスター触媒の活性を協調作用でもって向上させることができることを示唆するものであり、今後他の反応、多元金属クラスター触媒等への応用も期待できる。 また、研究代表者らはPI Auをメタノール中で一級アルコールの酸素酸化反応を行うと選択的にメチルエステルが得られてくることを見いだした。反応機構検討より金ナノクラスター表面でヘミアセタールが安定化され、円滑な酸化的エステル化が進行するものと考えられる。この結果から、高分子担体を修飾することでより効率的なエステル化触媒、さらにはバイオエタノールからの酢酸エチル合成へ応用を行う予定である。
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