研究課題/領域番号 |
21850011
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
安藤 吉勇 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (40532742)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,704千円 (直接経費: 2,080千円、間接経費: 624千円)
2010年度: 1,287千円 (直接経費: 990千円、間接経費: 297千円)
2009年度: 1,417千円 (直接経費: 1,090千円、間接経費: 327千円)
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キーワード | 有機合成化学 / 天然物化学 / 多環式化合物 / 糖質 |
研究概要 |
本研究は、多環性複合糖質であるプルラマイシン類を合成標的とした全合成研究である。プルラマイシン類の合成化学的問題点を解決し初の全合成を達成することで、有機合成化学の発展に貢献することを目的とする。さらに、より活性の優れた誘導体や標識化合物合成を視野に入れた実践的な合成経路を開発することで、生命科学分野への貢献を目指すものである。 当該年度では、プルラマイシン類の部分構造となるC-グリコシド結合を持つナフトキノンの合成を目指した。その結果、ナフタレンの酸化の段階で予想外の反応が進行することが見出された。すなわち、目的とするナフトキノンではなく糖のベンジルイ位が酸化されたスピロアセタールが生成した。これはナフトキノンのカルボニル基が光を吸収して励起され、反応性の高いベンジル位の水素原子を引き抜いて進行していると推測された。そこで、カルボニル基を保護したナフトキノン、すなわちナフトキノンモノアセタールの合成を行ったところ収率よく目的物を得ることに成功した。合成したナフトキノンモノアセタールは後の骨格変換へと利用することが可能であり、プルラマイシン類合成のための重要な中間体として期待できる。現在、2つの糖が導入された基質に対して本変換反応の適用を検討し、プルラマイシン類合成に向けて鋭意検討中である。さらに、見出したスピロアセタール合成法についても知見を集め、汎用性の高い新反応の開発を検討している。
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