研究課題/領域番号 |
21850015
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
有機化学
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
廣戸 聡 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30547427)
|
研究期間 (年度) |
2009 – 2010
|
研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
|
配分額 *注記 |
2,795千円 (直接経費: 2,150千円、間接経費: 645千円)
2010年度: 1,287千円 (直接経費: 990千円、間接経費: 297千円)
2009年度: 1,508千円 (直接経費: 1,160千円、間接経費: 348千円)
|
キーワード | ヘキサベンゾコロネン / ビラジカル / ポルフィリン / キノン |
研究概要 |
ヘキサベンゾコロネン(HBC)に熊田カップリングによって4つのメシチル基を導入し、溶解性を向上させた。これにイリジウム触媒のホウ素化反応を行ったところ、位置選択的に二ホウ素化が進行した。さらに過酸化水素で酸化することにより一つおよび二つのヒドロキシ基を持ったHBCの合成に成功した。この化合物はこれまで合成が困難とされており、合成的に重要な反応と言える。また、その結晶構造は予備的であるが分子内水素結合により箱型の構造を形成していることを明らかにした。HBCを箱型にくみ上げた例は少なく、新たなHBCの応用が期待できる結果と言える。さらに生成物を酸化さあせたところ、テトラカルボニル体が得られた。等量を減らしたところ目的のキノンと思われる生成物が得られた。現在その同定を行っている最中である。 また、ポルフィリンのβ位のみにアミノ基およびイミノ基を導入することに成功した。これらの吸収スペクトルは長波長シフトしており、共役拡張の効果が見られた。また、メゾ位の水素原子と窒素原子上のプロトンを使ったアニオン認識能についても明らかにした。さらにかさ高い置換基であるトリフェニルメチル基の導入に成功しており、酸化反応によるラジカルの生成を検討中である。現在予備的ではあるが、目的生成物であるビラジカル種を検出しており、同定を行っている最中である。これらの成果は既存の機能性分子を非局在化型ラジカルに変換可能であることを実証する結果であり、新しい機能性材料としての応用展開が期待できる。
|