研究概要 |
N-ニトロソジメチルアミン(NDMA)は,水のオゾン処理や塩素処理で副生成しうる物資で,発がん性が指摘され水道水質基準の要検討項目に追加された。NDMAは,紫外線照射で分解される一方,紫外線照射後の塩素添加により再生成する可能性が指摘されている。そこで本研究では,浄水プロセスにおけるNDMAの紫外線分解を想定し, Milli-Q水および水道水中に100ng/LのNDMAを添加して紫外線照射実験を行った。その結果, Milli-Q水中,水道水中のNDMAは,低圧紫外線ランプ(1730mJ/cm^2)または中圧紫外線ランプ(2200mJ/cm^2)の照射により90%以上分解された。紫外線照射後の塩素添加実験によりNDMA再生成を評価した結果,塩素添加後24時間以内のNDMA再生成は認められなかった。従って、紫外線処理は、浄水処理への追加処理として、NDMAの分解に有効であることが認められた。
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