研究概要 |
大腸菌のアクチン様タンパク質をコードするyggE遺伝子の欠損が接着性に与える影響を検討したところ,yggE欠損株においてポリ塩化ビニル(PVC)やポリプロピレン(PP)などのプラスチック表面に対して,野生株の約6倍以上の接着量を示した.この接着量増加のメカニズムとして,yggE欠損株において鞭毛の形成と回転に関連する遺伝子の発現量が約10倍以上増加していることと、それに付随して高い運動性を示すこととが確認された.また接着したyggE欠損株を走査型電子顕微鏡により観察したところ、野生株と比較して数倍の鞭毛数が観察され、それらの鞭毛が細胞と固体表面または細胞どうしを接続していることが判明した.これらの結果より,アクチン様タンパク質が鞭毛ならびにバイオフィルム形成に深く関連していることが示唆された.
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