研究概要 |
「移乗動作時の要介護者の残存能力定量化」のために本年度は,以下の項目を行った. (1)移乗動作時身体負担を表すパラメータ検討 (2)移乗動作時身体負担実験と解析手法確立 (3)移乗動作時身体負担計測装置の開発 (4)健常者による身体特徴と移乗動作時身体負担の関係取得のための実験実施 (1)については,日本リハビリテーション工学協会による移乗動作の分類(持ち上げ移乗/座位移乗/固定手すりを使用した立位移乗/支援装置なしの立位移乗)や,理学療法士とリハビリドクターへのヒアリングを基に,移乗動作において着目する必要があると考えられる身体能力(座位保持可能,起立動作可能,固定手すり使用)と,その身体能力を表すと考えられるパラメータ案(臀部の重心移動範囲と耐荷重,足部の重心移動範囲と耐荷重,手部の耐荷重)の関係を検討した. (2)については,昨年度から始まった文部科学省グローバルCOEプログラム「グローバルロボットアカデミア」の活動拠点として設立した,「人とロボットのコミュニケーションスクエア:COSMAR(Communication Square for Man and Robot)」の一部に設置されている三次元動作計測装置VICONと床反力計を使用することを想定し,VICONを使用した動作分析セミナーに参加することで実験と解析手法を確立した. (3)については,電動昇降座いすの座面部と足置き部にカセンサを組み込めるよう改造し,その値をVICONのADボードに入力することでVICONと同期してデータ取得が可能とした. (4)については,(3)で開発した身体負担計測装置を用いて健常者を被験者とすることで,身体特徴と移乗動作時に必要な身体能力の関係を取得するための実験を行った. 尚,(1)のヒアリングや(4)の実験については,前述COSMARにおいて実施した.
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