研究課題/領域番号 |
21870041
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
分子生物学
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
浦崎 明宏 国立遺伝学研究所, 研究員 (40550083)
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研究期間 (年度) |
2009
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,808千円 (直接経費: 2,160千円、間接経費: 648千円)
2010年度: 1,313千円 (直接経費: 1,010千円、間接経費: 303千円)
2009年度: 1,495千円 (直接経費: 1,150千円、間接経費: 345千円)
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キーワード | mekk3 / ゼブラフィッシュ / 後主静脈 / 遺伝子トラップ |
研究概要 |
モデル脊椎動物ゼブラフィッシュを用いて、脈管形成におけるmekk3bの役割を明らかにすることを目的に研究を行った。独自に成したSAGFF27C遺伝子トラップ系統では、遺伝子トラップコンストラクトがmekk3b遺伝子のイントロンに挿入して、mekk3b遺伝子の転写産物をトラップしていた。まず、SAGFF27C ; UAS : GFP系統のGFP発現パターンの解析を行ったところ、発生初期には後主静脈で、発生後期には節管静脈およびリンパ管でGFPを発現することが分かった。次に、in situハイブリダイゼーションにより、後主静脈細胞でmekk3bが発現していることを確認した。さらに、モルフォリノオリゴヌクレオチドを用いてmekk3bの発現阻害による表現型の解析を行ったところ、mekk3b発現阻害胚では後主静脈が形成されなくなることが分かった。そして、mekk3b mRNAをmekk3b発現阻害胚に微量注入すると、異常表現型が回復した。このことから、mekk3bは後主静脈の形成に重要な役割を果たしていることが示された。後主静脈の形成過程の詳細を明らかにするために、血管内皮細胞でGFPを発現するflil:GFP系統や赤血球前駆細胞でRFPを発現するgata1:RFP系統を用いて、タイムラプス生体イメージングを行った。これまで、ヒトやマウスを使った研究では、体内で発生するため、発生初期の血管形成過程を捉えるのは困難であった。本研究では、胚が透明で、体外で発生するゼブラフィッシュを用いることにより、受精後最初に出来る血管の形成過程を捉えることに成功した。これらの結果は、「細胞の塊」から「血流のある血管」がいかにして形成されるかを細胞・分子レベルで理解する上で重要な知見であると考える。
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