研究課題/領域番号 |
21890166
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
高田 雄一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (00549016)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2010
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研究課題ステータス |
完了 (2010年度)
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配分額 *注記 |
2,535千円 (直接経費: 1,950千円、間接経費: 585千円)
2010年度: 1,209千円 (直接経費: 930千円、間接経費: 279千円)
2009年度: 1,326千円 (直接経費: 1,020千円、間接経費: 306千円)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / 活性酸素 / マクロファージ / 血管異常収縮 |
研究概要 |
本年度は、血管異常収縮の原因分子であるスフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)が、活性酸素(その中でも特にOHラジカル)依存的にスフィンゴミエリンから産生されることを、分子レベルおよび細胞レベルで証明するため、それぞれ検討をおこない、以下の研究成果を得た。 1) 分子レベル:酵素を含まない溶液中で、OHラジカルとSPCが実際に産生されることを直接証明するため、OHラジカルについては、スピントラップ剤(DMPO)を用いた電子スピン共鳴測定法により定量化し、また、SPC産生については、SPC安定同位体元素標識体(SPC-d3)を内部標準物質としたLC-MS/MS(MRMモード)測定法を用いて検討した。結果としては、鉄イオンと過酸化水素を含む酸性溶液中でOHラジカルが産生され、さらに、そのOHラジカル産生条件下において、SPCが著明に産生されることが判明した。 2) 細胞レベル:本研究では、SPC産生メカニズムの基盤として、酸性環境かつ過酸化水素が豊富な、マクロファージのライソゾーム中における赤血球消化を想定している。そこで、ボルボールエステル(PMA)刺激により、ヒト単球系細胞株であるTHP-1をマクロファージ様細胞に分化させた後、赤血球を貧食させ、経時的にSPC産生量を測定した。現在、予備的実験段階ではあるが、赤血球添加12時間後以降において、確かにSPC産生量が増加していることが証明された。さらに、鉄イオンを含まない赤血球ゴーストを用いて同様の実験を行った場合には、SPC産生量は増加しないことが判明した。以上により、SPC産生経路として想定した仮説が、分子レベルでも細胞レベルでも、正しいことが証明された。
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