研究課題
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破骨細胞の分化過程において、増殖することなく破骨細胞に分化する前駆細胞(cell cycle-arrested quiescent osteoclast precursors : QOP)のキャラクターの解析を行った。本研究ではさらに、骨髄のみならず血中にもQOPが存在するか調べるために骨誘導因子(BMP)による異所性骨形成時におけるQOPの存在様式を解析した。実験の結果、QOPはマクロファージ系マーカーの発現が低いが、破骨細胞系マーカーを強く発現していた。また、電子顕微鏡により解析を行ったところQOPは破骨細胞に近い所見を得た。また異所性骨の周囲に有意QOPが出現した。以上の解析より、QOPは、破骨細胞に特異性高い前駆細胞である可能性が示唆される。そして、異所性骨に形成される破骨細胞は、既に存在する細胞周期の停止したQOPが破骨細胞形成部位に特異的に遊走し、骨吸収刺激により破骨細胞に分化すると考えられる。本概念は、歯周病などの炎症性骨破壊病変に対して骨吸収因子の抑制という治療法とは異なる概念を打ち出すものであり、新規の骨疾患メカニズムの解明への一助となるものと考える。
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Adv Exp Med Biol 658
ページ: 21-30
Adv Exp Med Biol
巻: 658 ページ: 21-30
Adv Exp Med Biol. 658
J Cell Biol 184
ページ: 541-554