研究概要 |
マウス胚性幹(mES)細胞およびマウス胎児性繊維芽細胞(MEF)は共にAhrを発現していた.各細胞の特徴として,Cyp1a1は両細胞間で同程度発現しているのに対し,Cyp1b1はMEFにおいてmES細胞よりも14倍高く発現していた.両細胞において代表的異物代謝酵素誘導剤3-メチルコラントレン(3-MC)処理によりCyp1a1およびCyp1b1発現が用量依存的に誘導され,特にCyp1a1はMEFにおいて顕著に誘導された.したがって,未分化状態の細胞では異物代謝が発達しておらず,化学物質に暴露した場合に蓄積しやすいことが示唆される.今後,異物排泄機構も含め,総合的に精査する必要がある.
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